不動産売却における減価償却とは?計算方法や注意点についても解説

2022-11-02

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不動産売却における減価償却とは?計算方法や注意点についても解説

不動産売却によって譲渡所得(利益)を得た場合には、その金額に対して所得税と住民税が課されるため、確定申告をおこなう必要があります。
譲渡所得を算出する際に必要になるのが「減価償却費」です。
不動産売却後の税金がどれだけかかるのかを把握するために、減価償却とはなにか、その概要について理解を深めておきましょう。
減価償却費の計算方法や注意点についてもご説明しますので、さいたま市を中心に埼玉県で不動産売却をご検討中の方は、ぜひご参考にしてください。

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不動産売却後の税金計算に必要な「減価償却費」とは

不動産売却後の税金計算に必要な「減価償却費」とは

冒頭でもお伝えしたように、不動産売却後の税金計算では「減価償却費」を計上する必要があります。
しかし、はじめて不動産売却をおこなう方は「そもそもなぜ減価償却費を計上するの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
そこでまずは、不動産売却後の税金と減価償却費の関係についてご説明します。

減価償却費はいつ必要?

減価償却費は譲渡所得を算出する際に必要です。
譲渡所得とは不動産売却で得た利益のことで、その金額に対して「所得税」「住民税」「復興特別所得税」が課されます。
したがって、どれぐらいの税金が課されるのかを把握するためには、譲渡所得を正しく計算する必要があるのです。
譲渡所得は、以下の計算式で算出することができます。
譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)
それぞれの項目の内容は以下のとおりです。

  • 収入金額…不動産の売却価格
  • 取得費…不動産の購入代金と購入するためにかかった費用の合計
  • 譲渡費用…不動産売却のためにかかった費用

上記の計算式からわかるように、不動産売却で得たお金の全額が譲渡所得になるわけではありません。
事業をおこなった際の利益を算出する際に原価や経費を差し引くのと同じように、不動産売却においても、その不動産の取得費と譲渡費用を差し引くことができるのです。
ただし、不動産の購入代金は、購入したときの金額をそのまま取得費として計上するのではなく、売却するときの価値で計算されます。
その価値を算出するために用いられる計算方法が「減価償却」です。

減価償却とは

建物は年数とともに劣化していくため、資産価値は下がっていきます。
資産価値が年数とともに減少していくものについては、購入代金を取得費として一度に計上するのではなく、一年に一定額ずつ減少した価値を計上します。
この手続きを「減価償却」といい、減少した価値を金額で表した数字が「減価償却費」です。
ただし、土地は年数とともに資産価値が下がるものではないという考えから、土地に対しては減価償却をおこないません。
したがって、減価償却費を計上するのは、不動産売却にともなう「建物の取得費を計算するとき」です。
建物の取得費は、以下の計算式で算出します。
建物の取得費=購入代金-減価償却費
建物の構造や、誰がその建物を使用していたかによって減価償却の考え方は異なります。
ここでは自宅用の不動産についてご説明していきますが、事業用の不動産を売却するときとは減価償却費の計算方法が異なるということを覚えておきましょう。

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不動産売却における減価償却費の計算方法

不動産売却における減価償却費の計算方法

では具体的にどのように減価償却費を計算するのか、その計算方法をご説明します。
不動産売却にともなう減価償却費は、「定額法」という方法を用いて計算します。
定額法とは、減価償却の対象となる不動産の購入金額を耐用年数で均等に割り、毎年同じ金額を減価償却費として計上する方法です。
減価償却費は、以下の計算式に当てはめて算出します。
減価償却費=建物の購入代金×0.9×償却率×経過年数
この計算方法で用いる償却率は、法律で定められており、建物の材質や構造によって異なります。

償却率とは

「償却率」とは、建物の価値が1年ごとにどれくらい減っていくのかを表すもので、建物の資産価値がなくなる期間を定めた「法定耐用年数」によって定められています。
建物の法定耐用年数は以下のとおりです。

  • 木造…22年
  • 軽量鉄骨造(骨格材の肉厚が3mm超4mm以下)…27年
  • 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造…47年

ただし、上記は事業用の不動産について定められている年数です。
自宅用の不動産売却の減価償却費を計算する際に用いる耐用年数は、事業用の法定耐用年数の1.5倍に設定されます。
したがって、実際の計算で用いる耐用年数と償却率は以下のようになります。

  • 木造…耐用年数33年、償却率0.031
  • 軽量鉄骨造(骨格材の肉厚が3mm超4mm以下)…耐用年数40年、償却率0.025
  • 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造…耐用年数70年、償却率0.015

なお、耐用年数と償却率については国税庁のHPで閲覧できます。
対象の不動産の減価償却費を計算する際には、国が定める正式な数字をご確認ください。

経過年数とは

「経過年数」とは、不動産を購入してから売却するまでに所有していた年数のことです。
所有期間が6か月以上は1年とし、6か月未満の端数は切り捨てます。
たとえば、10年2か月所有していたのであれば、経過年数は10年となります。

確定申告が必要かを確認する方法

たとえば、諸費用を含めて3,000万円で購入した鉄筋コンクリート造の建物を、2,800万円で売却する場合で考えてみましょう。
建物の減価償却費が700万円の場合の取得費は3,000万円-700万円=2,300万円となります。
譲渡費用が150万円かかった場合の譲渡所得の計算方法は以下のようになります。
2,800万円-(2,300万円+150万円)=350万円
減価償却費を用いて譲渡所得を計算し、残った金額が上記のようにプラスの場合は税金が課されるため確定申告が必要です。
残った金額がゼロ以下の場合は、確定申告をおこなう必要はありません。

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不動産売却における減価償却の注意点

不動産売却における減価償却の注意点

不動産売却後の譲渡所得を計算する際に減価償却費が必要であることをここまでご説明してきましたが、いくつか注意点があります。

取得費がわからない場合

相続で取得した場合や購入時期が古い場合など、不動産の取得費がわからないケースもあるでしょう。
取得費がわからない場合は建物の減価償却もおこなえません。
その場合は、次の計算式で求めた金額を「概算取得費」として計上することが認められています。
概算取得費=譲渡収入金額×5%
たとえば不動産を2,800万円で売却したのであれば、2,800万円×5%=140万円となり、140万円を概算取得費として計上できるのです。
しかし、不動産を140万円で購入したとは考えにくく、概算取得費で計上すると差し引ける取得費が少なくなるため注意が必要です。
譲渡所得を抑えるために、売買契約書や金銭消費貸借契約書といった購入代金がわかる書類をできる限り探してみましょう。
一方、取得費を計算する書類などが残っており、実際の取得費が概算取得費よりも下回っていた場合は、概算取得費を計上することができます。

譲渡損失が生じた場合

減価償却費を計上して取得費を計算し、譲渡損失が生じるケースもあります。
その場合、基本的に確定申告は不要ですが、ほかの所得と相殺する「損益通算」をおこなうことで、税金を抑えることができます。
損益通算をおこなう場合は譲渡所得がなくても確定申告が必要となります。

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まとめ

不動産売却にともなう建物の取得費を計算する際には、減価償却費を計上する必要があります。
減価償却費は、不動産売却後の譲渡所得税に深く関わってくるため、売却時の資金計画を立てるうえでもぜひ理解を深めておきましょう。
「売却の窓口 上野店」は、さいたま市を中心に埼玉県で不動産売却をサポートしております。
売却後の税金対策についてもアドバイスいたしますので、不動産売却をご検討の際は、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。

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